2009年4月7日火曜日

肉そば / 坂内食堂 (喜多方市)

会津若松市から車で北へ30分ほど行くと喜多方市だ。蔵とラーメンで知られている街である。
都心や大きな街などの人口密集地でのラーメンはその個性の競い合いの結果どんどん個性的になり、食べていて気持ちの落ち着かないものに成ってしまった感がある。
喜多方のラーメンは今でこそ観光の目玉となってはいるが、そもそもは町興しなどとは全く無縁なところから始まっている。
言わば郷土食であり、競争原理とは全く無縁のものだった。
その結果、どこの店も基本的には同じような味付けとなり、「喜多方ラーメン」というジャンルが出来上がった訳だ。

喜多方は古くから醸造業が盛んだった関係上、喜多方ラーメンは醤油味が基本形である。
その喜多方ラーメンの中では少し異色なのが“坂内食堂”のラーメンだ。
少量の醤油を使用していると言う話だが、塩味と言い切っても良い味付けである。
坂内食堂の名を知らしめた要因のひとつとしてチャーシューのトッピングが挙げられる。
肉そばは丼の表面を覆い尽くすチャーシューに圧倒される。
バラ肉を使用しているので脂身のしつこさが気になるが、それでも時々食べたくなってしまう。

肉そば / 坂内食堂 (喜多方市)

喜多方には「朝ラー」という言葉がある。
朝食としてラーメンを食べることだが、その朝ラーが出来る店が喜多方には何軒か在り、坂内食堂はその中の1軒で、朝7:00からの営業です。
朝一の“肉そば”は、郷土食のパワー・ブレックファーストと言う位置付けですな。


■□■ 店舗情報 ■□■
店名 : 坂内食堂 【ばんないしょくどう】
住所 : 福島県喜多方市字細田7230 
電話 : 0241-22-0351
定休日 : 木曜日(祝日の場合営業)
営業時間 : 7:00~19:00
駐車場 : 5台位
写真 : 肉そば 大盛り 1000円

2009年4月6日月曜日

ロータスイン / 西会津町

会津若松市内から49号線を車で新潟方面へ30分ほど行った所が西会津町だ。国道から少し外れたところに「ロータスイン」がある。
ここは宿泊も出来る温泉施設で、日帰り客は400円で入浴できる。
休憩所は個室も使えるが、食事所がある大広間が便利。
施設内には本格的なフレンチが味わえる“レストラン桐”もある。
このレストランでは手打ち蕎麦などの和食メニューも食べられる。
以前、こちらで天ざるを頂いた事があるが、一切の手抜きの無い蕎麦にいたく感動をした。
天ざる ロータスイン / 西会津町

みそおでん ロータスイン / 西会津町

大広間の食事所もなかなか良い。
ラーメンやカレーライス等をはじめ、生ビールや冷奴や焼き鳥などのおつまみ類もあり、温泉気分を満喫できる。
しょうゆラーメン(400円)とみそおでん(200円)を頂きました。
しょうゆラーメン ロータスイン / 西会津町

ラーメンは小西製麺製と思われる喜多方風の中太麺で、とても美味い。
やや甘めの味噌ダレのみそおでんを食べながら、窓の外の木々の立ち並ぶ風景を見ていると、何とも言えないノンビリした気分になった。

浴場はジャグジーが有り露天風呂が洋風の所と、寝湯が有り和風露天風呂が付いている所が男女日替わりとなる。


■□■施設情報■□■
店名 : ロータスイン
住所 : 福島県耶麻郡西会津町登世島下小島187 
電話 : 0241-45-2900
定休日 : 第4月曜日(祝日の場合は翌日)
営業時間 : 10:00~21:00
駐車場 : 100台位
料金 : 400円
洋風と和風が日替わりで男女入れ替わり
露天風呂・大浴場・打たせ湯・ボディーシャワー・サウナ (ジャグジー・寝湯は男女入れ替わり)
休憩所と個室部屋あり
食事所あり
宿泊可能

2009年3月16日月曜日

ソースカツ丼 / 宇佐美食堂 (会津若松市)

大町四つ角から南へ数軒行った所に在るのが“宇佐美食堂”です。あまり目立たない店ですが老舗の風格を感じます。

入り口は路面から一段下がっていて、雪が多い地方にしては珍しい造りだと思いました。

店内は外見同様に昭和の雰囲気が漂っています。
テーブルや椅子や本棚に大衆食堂らしさが強く感じられます。
宇佐美食堂は“伝統会津ソースカツ丼の会”の加盟店で、店頭にそれを示す幟が立っています。

とんかつの切り方や盛り付けに、この道数十年の手練れの技のような物を感じました。
スープが付きますが、宇佐美食堂独特の和風な味わいにホッとします。
全体的に個性を抑えた仕上がりですが、美味しく頂きました。

ソースカツ丼 / 宇佐美食堂 (会津若松市)



■□■店舗情報■□■
店名 : 宇佐美食堂 【うさみしょくどう】
住所 : 福島県会津若松市大町1丁目1-51  
電話 : 0242-27-3514
定休日 : 不定休
営業時間 : 11:00~19:30
駐車場 : 無し
写真 : ソースカツ丼 800円

大町四つ角の変な物 / 福島県会津若松市

東京がまだ江戸と申しました時分、会津藩のお触書の高札が立てられた事から“札の辻”と言われたのが、現在の“大町四つ角”であります。
白河街道・下野街道・越後街道・二本松街道・米沢街道の会津五街道の起点だったところです。
この四つ角は素直な十文字ではなくクランク的十字路になっていて、江戸時代を偲ばせる造りを残しています。

この交差点に立って方々を眺めますと、近代的なビルから大正ロマン的建築物、更にはそれ以前を思わせるような古い木造家屋が雑然と立ち並んでいます。

この交差点の電信柱に妙なものを見つけました。
電柱に針金でぐるぐると縛り付けられた数本のパイプと言うかチューブと言うかホースと言うか…。
これは何の為の物なのでしょうか?
大町四つ角の変な物 / 福島県会津若松市
これが何なのかご存知の方、教えて下さい。

2009年3月11日水曜日

ラーメン / 蔵美  (喜多方市)

暖冬とは言え、非常識なほどの暖かい日が続いていたが、今日は雪が舞っている。車に1cmほど積もっているのを払って、喜多方へ向かった。
喜多方市役所に車を置いて、13:10頃、市役所の北西にある“喜多屋”へ行ったが暖簾が下ろされていた。

雪を見ると食べたくなるのが喜多屋のラーメンだが、残念ながら断念して、久しく食べていない“蔵美”へ車を少し走らせた。

蔵美はかの有名な“あべ食堂”からさほど離れていない所にある。
この場所は以前、時計屋さんだったように記憶している。
蔵美は数年前まで喜多方市役所の真ん前で営業していた。
その当時から何度と無く食べていて、好きなラーメン店のひとつである。
ラーメン / 蔵美  (喜多方市)
脂が多目でやや塩辛いのが特徴だったが、今回頂いたラーメンは、脂が少なめであっさりと仕上がっていた。
麺が少し柔らかめなのが残念だったが、全体的に統一感の有る、安心して食べられるラーメンである。
いつもながらバラチャーシューがとても美味かった。
箸休めに小さな冷奴や漬物が付くが、今日は大根の塩漬けだった。

■□■ 店舗情報 ■□■
店名 : 蔵美 【くらよし】
住所 : 福島県喜多方市字二丁目4648-6 
電話 : 0241-24-4053
定休日 : 火曜日
営業時間 : 10:00~19:00
駐車場 : 店の裏にあり
写真 : ラーメン 550円

2007年8月7日火曜日

ソースカツ丼 / すみれ食堂 会津若松市

県立会津総合病院のすぐ西隣に在り、駐車場は道を挟んだ向かい側に2台分のスペースがある。

県立病院に勤める知人の話によると、ここのご主人は客のオーダーに対し非常に柔軟であるという。

メニューに無い物でも臨機応変に作ってくれるらしい。

ソースカツ丼 / すみれ食堂 会津若松市

肉厚は3mm程度の極薄トンカツで、学生食堂のカツ定食や駅弁の幕の内弁当に入っているカツを思い出させる。

クリスピータイプは肉を食べている満足感は全く得られないが、揚げ油とソースと飯が何とも言えない渾然とした美味さを醸し出す。

ひょっとすると肉が無くても相当に美味いのではないかと思わせる。


ソースは甘すぎる事の無いバランスの良い味で、別皿に用意された大盛りの千切りキャベツとの相性も良い。

ソースカツ丼 / すみれ食堂 会津若松市

玉子スープと漬物となめこおろしが付き、全てお盆に載って出されるのだが、どう言った訳か、ドンブリの下にはティシュが敷かれていて、けっこう邪魔だったりする。


美味いが、カツ丼を食べたと言う満足感には程遠い。

もしかすると私は、厚切り肉を食べないと満足感が得られない“むらい・いとう症候群”かも知れない。

この極薄クリスピートンカツで930円は高過ぎるのでは無いだろうか。


□■□店舗情報□■□

店名 : すみれ食堂

住所:福島県会津若松市城前9-53

電話:0242-27-7027

定休日:不定休

営業:9:00~14:00 / 17:00~19:00

駐車場:2台(店の向かいの薄緑色のスペース)

※写真は「ソースカツ丼」930円(税込み)

2007年8月6日月曜日

かつ丼(煮込み)/ いとう食堂 (会津若松市)

伝え聞くところによると、この“いとう食堂”は臨時休業が頻繁に有るらしい。また11:30の開店なのに遅れることもしばしば有るとの事。

私も先日訪た時も休みで、しかたなく他店でガッカリな物を食べてしまい酷く気落ちしたのである。

以前こちらでご馳走になったのはソースカツ丼だったので、今回は煮込みを食べてみたくなった。


前回は出前が立て込んでいたようで、注文から30分以上も待たされたが、今度は15分強と標準的な待ち時間だった。

6席のカウンターのみと思っていたが、奥に小さな座敷が有り、馴染み客たちはそちらで食べる事も有るようだ。


あの分厚くて柔らかで、しかもジューシーなカツをまた食べられると思うと、実に待ち遠しい。

かつ丼(煮込み)/ いとう食堂 (会津若松市)

今日はアサリの味噌汁とキュウリの糠漬けが付いた。

煮込みカツ丼は余計に加熱する所為か、ソースカツ丼に比べジューシーさが大幅に欠けているように感じた。

しかし決して硬い訳ではなく、肉厚2cm弱はあるのに、軽く噛み切れる程の軟らかさだ。

煮込みの汁はかなり甘め。

正直な感想を申し上げれば、ソースカツ丼の方がはるかに美味かった。やはり会津はソースカツ丼の土地柄のようだ。


遠方からお出での方は、先ずは電話で開店を確認の上でのお出かけをお勧めします。


□■□店舗情報□■□

店名:いとう食堂

住所:福島県会津若松市本町5-10

電話:0242-28-1839

定休日 : 木曜日

営業 : 11:30~14:00 / 16:30~19:00

駐車場 : 2台(その他にも有るようなので店に相談の事)

※写真は「かつ丼(煮込み)」900円(税込み)

2007年7月4日水曜日

龍興寺と天海僧正 / 大沼郡会津美里町

徳川家康の参謀として活躍し、その後も2代将軍徳川秀忠・3代徳川家光に仕え、上野の寛永寺を創建した高僧“天海(幼名:舟木兵太郎)”の両親の墓があるのが会津美里町(旧:会津高田町)の龍興寺である。

龍興寺と天海僧正 / 大沼郡会津美里町

天海は陰陽道に基づいた江戸鎮護を構想し、日光東照宮の建築物配置には風水的論理による大きな関わりを持ったとされる。

1643年に108歳で没したとされ、その5年後に朝廷から慈眼大師号を贈られた。 日光山輪王寺慈眼堂に祀られている。

天海の前半生は謎に満ちており、小説などでは怪僧として扱われることが多い。

その為か明智光秀をはじめ歴史上の色々な人物と同一人物ではないかとする説が多い。

しかし、大正4年に歴史学者の黒板勝美・辻善之助両博士が天海の生誕地確認の為に由緒地を探していたら偶然に龍興寺墓地内から父親の名である「景光」の刻印のある五輪塔二基を発見し、両親の墓が有る事から天海の生地は高田であることが確認された。

それにより全国10ヶ所以上にある生地はいずれも間違いであることが立証された。


旧:会津高田町役場向かいのJA敷地内の一角には天海生誕の地碑が立っている。

龍興寺と天海僧正 / 大沼郡会津美里町

大正4年に生誕地と確認された割には、未だに実は足利将軍家12代足利義晴の子であるとか、本能寺の変で織田信長を討った明智光秀や、本能寺の変で先鋒を務め、琵琶湖の湖上馬越え伝説で知られる明智秀満と同一人物であるとする説が有るのは何故なんでしょう。


龍興寺駐車場の側には立派な蓮池がある。

龍興寺と天海僧正 / 大沼郡会津美里町


□■□龍興寺情報□■□

龍興寺

住所 : 福島県大沼郡会津美里町字龍興寺北甲2222-3

電話 : 0242-54-2446


□■□天海生誕地の碑□■□

旧会津高田町役場向かいのJA敷地内


※写真は…

上) 龍興寺 天海の両親の墓

中) 天海生誕地の碑

下) 龍興寺の蓮池


《関連記事》

龍興寺 / 大沼郡会津美里町

2007年7月3日火曜日

ソースカツ丼 / 城前ハトヤ食堂 (会津若松市)

“いとう食堂”のカツ丼を食べたくなって行ってみたら臨時休業だったので、止むを得ず街中へ走っていたら、鶴ヶ城入り口角の“城前ハトヤ食堂”が目に入った。

今まで観光客相手の店で食べて美味かった験しが無いので、かなり不安だったが試しに入ってみる事にした。


カツは、この先どういう配分で食べ進んだら良いものかと考え込んでしまうほど小さくて、しかも端の方には硬い筋がある。

ソースは首のリンパ腺がダルくなるほど甘い。

手作り感満点の地味すぎる味噌汁と、ドンブリの隅に無造作に盛り付けられた毒々しく赤い紅生姜が、嫌がうえにもチープ感を盛り上げてくれる。

落胆と憤りと悲しみと絶望が複雑に絡み合い、私は思わず『ウング~…』とウメキ声を漏らしてしまった。

ソースカツ丼 / 城前ハトヤ食堂 (会津若松市)

これで“いとう食堂”のソースカツ丼と同じ900円かよ!?と愕然とする。

「もう150円をプラスすれば“お食事処むらい”の巨大ソースカツ丼が食べられたのに」と思うと、取り返しのつかない事をした後悔の念で、腋の下や背中に冷たい汗が出た。…ような気がする。

東山温泉まで行って“よしのや食堂”で食べるって手も有ったのに!!


もし鶴ヶ城付近で観光客の誰かに「ソースカツ丼を食べたいのだが、どこか良い店は無いか?」と訪ねられたら、私は迷わず『タクシー代を使ってでも“いとう食堂”で喰らえっ! この!』と目を吊り上げてアドバイスをする。


七日町の“ハトヤ分店”は世間様では評判が良いようなのですが、こちらの“城前ハトヤ食堂”とは同系列なのでしょうか。


□■□店舗情報□■□

店名 : 城前ハトヤ食堂

住所 : 福島県会津若松市追手町3-27 

電話 : 0242-27-7360

定休日 : 不定休

営業 : 9:00~19:00


※写真は「ソースカツ丼」900円(税込み)

2007年7月2日月曜日

中華そば / あべ食堂 (喜多方市)

喜多方ラーメンの特徴を挙げれば「新しい冒険的な味に出会うことは無いが、安定した老舗の実力的な味わいがある」と言えないだろうか。

その代表的存在が“あべ食堂”である。

先代のご主人が亡くなられてからは伺った事が無く、今回はおよそ2年振りに「中華そば」を頂いてみました。

名前通りの素朴で飾り気の無い物で、チャーシューと刻みネギとメンマのシンプルなトッピング。

以前に比べ、各素材の持ち味が荒々しく出ているスープに成ったような印象。

中華そば / あべ食堂 (喜多方市)

喜多方には「朝ラー」と言う言葉が有りまして、朝食としてラーメンを食べる事なんですが、それほどにラーメンが生活に根付いている土地柄です。

こちらの“あべ食堂”はその朝ラーが出来る店で、開店は朝7時半です。

休日の朝などは地元の朝野球チームらしい集団が小上がりを占領し飲酒を続け、遠方から来たと思われる家族連れの客がラーメンを食べられずに待っている光景を何度も見る事が有った。

混んでいる飲食店での長っ尻は野暮で見っとも無い。

また、喫煙の有害性が叫ばれる昨今、子供からお年寄りまでが行く飲食店に灰皿を置くのは考え物である。

せめて朝・昼・夕の一般的な食事時間帯は全席禁煙にする位の姿勢が有っても良いと思う。


喜多方市にとってラーメンや観光関連の税収は決して小さな額では無いはず。

観光客に対してもっと思いやりを持たなくては、近い将来、閉店したラーメン屋が立ち並ぶ寂しい町に成って、大変な事に成りますよぉぉ。


□■□店舗情報□■□

店名 : あべ食堂

住所 : 福島県喜多方市緑町4506

電話 : 0241-22-2004

定休日 : 水曜日

営業 : 7:30~18:00

駐車場 : 10台位


※写真は「中華そば」550円(税込み)