2009年12月21日月曜日

富士の湯 / 会津若松市

 会津若松駅から南へ300m程の所に在る日帰り温泉施設で、交通の便が良いのと、料金が格安なためか、入り口付近には開店時刻の10時前から数人の客が待っている。

湯船の種類は多く、大浴場の他に、天然の生薬が配合された“薬湯”、高温サウナとスチームサウナの2種類の“サウナ”、気泡によるマッサージ効果がある“ジェットジャグジー”、背中から足先へぬるま湯が流れる“足湯・座り湯”、半透明の屋根が掛かった“露天風呂”、信楽焼きの壷で微温湯に漬かる“壷湯”、寝湯などが有る。

大浴場は、石の湯と木の湯が有り、1週間交代で男女入れ替わる。

どの湯も熱くはないが、上がった後もいつまでもポカポカと温かい。流石は天然温泉100%の掛け流しだ。


壷湯は、ちょうど人一人が入れるほどの焼き物が二つ並んでいて、温めの湯がチョボチョボと流れ込んでいる。

たいていお年寄りが入っていて、傍の通路を誰かが通る度に壷の上に出た首がそろってそちらを向くのが奇妙で面白い。


露天風呂は、屋根が有るので正確には露天風呂ではないが、それ風の造りになっている。

半透明の屋根が有るので全天候型ではあるが、開放感に乏しく、野趣を全く感じられないのが残念だ。


富士の湯入浴を観光コースの一部に組み込み、ノンビリと過ごすのも面白い観光プランではないでしょうか。


■□■ 店舗情報 ■□■

店名 : 富士の湯 (ふじのゆ)

住所 : 会津若松市駅前町2-13

電話 : 0242-32-1126

定休日 : 年中無休

営業時間 : 10:00~24:00 (最終受付 23:00)

入湯料 : 390円(税込み)

駐車場 : 500台

2009年12月13日日曜日

昭和ゴールデン / アジアン食堂 (喜多方市)

 老舗「上海」の隣にいつの間にか出来ていた新しいラーメン屋。

新しいラーメン屋だが、レトロっぽい。

昭和の雰囲気が有るのだが、架空の空間っぽい。

ドラマのセットとかイベントの模擬店のような、現実味の無い懐かしさを感じる。

アジアン食堂という店名も、“喜多方マーケット銀座”という狭い路地に在る事も、店内にセピアがかった古い写真が掛けられている事も、どれも仮想空間っぽい。

昭和ゴールデン / アジアン食堂 (喜多方市)

店内ではFM喜多方の放送が流れているが、ここはそれらしく気張って、西田佐知子の「アカシアの雨がやむとき」とか、菊池章子の「星の流れに」とかを丁度良い悪い音質で流して欲しいものである。

園まりの「逢いたくて逢いたくて」もいいな。


メニューは3種。どれも名前がふるっている。

 ・あっさり系の“昭和ゴールデン”。

 ・背脂こってり系の“平成チャッチャ”。

 ・濃厚コクうま系の“平成ガッツ”。これは1日20食の限定らしい。

昭和の頃には頻繁に使われて今は然程でもなくなった言葉に“ゴールデン”とか“デラックス”とかがある。

“デラックス”は車でもチョコレートでも家電品でも何でもかんでも、ちょっと良い物にはデラックスと付いていた。

せっかく昭和ゴールデンなどという古臭いネーミングにしたんだから、チャッチャとかガッツとか興ざめするような事は言わずに、“平成デラックス”とか“平成ロイヤル・デラックス・ハイ”とかにして欲しかった。


この店の基本形かなぁと思われる“昭和ゴールデン”を注文。

厨房とフロアがカウンターで完全に仕切られていて往来が出来ないので、厨房から離れた奥のテーブル席に座ると、「お待ちぃ」とカウンターに置かれて、自分で席まで運ぶ事になる。

ラーメンの丼って熱くて思いのほか重かった。正直めんどくさい。

食べ終わったら自分で食器を返却しなきゃならないのかと心配をしたが、それはしなくてもいいらしい。

昭和ゴールデン / アジアン食堂 (喜多方市)

鶏の割合が大きいスープで、醤油少なめ塩多めの味付けをしている。

あっさり系と言うことだったが、鶏油の粘りつくようなコクがある。

会津地方のラーメンスープはやや塩辛いのが特徴だが、ここのスープはかなり塩辛い。

《スープを飲み干して完食とする》と言う鉄の掟(自分で勝手に決めたんだけどサ)を破ってしまい、半分ほどズルルゥと飲んだだけで残してしまった。

麺はやや太めの中太縮れ麺だが、茹で加減が柔らかい。も少し硬いほうがスープに合うような気がする。

チャーシューは良く味が染みたやわやわのバラ肉。煮崩れる寸前と言ってもいいほどのやわやわ。美味い。

ネギがたっぷりなのが良かった。鶏系スープにはネギが物凄く合う。


いわゆる喜多方ラーメンとは方向性が違っているような気がするが、これからが楽しみな店だと思う。


■□■ 店舗情報 ■□■

店名 : アジアン食堂

住所 : 福島県喜多方市二丁目4650-29 喜多方マーケット銀座内

電話 : 0241-23-6161

定休日 : 未確認

営業時間 : 11:00~15:00 / 18:00~22:00

駐車場 : 無し

写真 : 昭和ゴールデン 550円(税込み)

2009年11月16日月曜日

チャシュウ麺 / きぬ多 (喜多方市)

 時々無性に食べたくなるのが喜多方市の“きぬ多”のラーメンだ。

お年寄り夫婦が作っているので、勢いの有る今風のラーメンなどではない。

マー油を入れたり、醤油を焦がしたり、チャーシューを炙ったり等はせず、当たり前のラーメンを当たり前に作っている。

風変わりな小手先の調理法を施さなくても美味いものは美味いのである。

全体的に丁寧な仕事が施してありながらも、押し付けがましさや不必要な自己主張などは全く無く、優しい仕上がりに成っている。

一杯のラーメンが持っている物静かで落ち着きが有って優しい感じが、無性に食べたくなる原因なのでないかと思う。


今回頂いたのは“チャシュウ麺”だ。チャーシューではなくチャシュウと言う所がニクイと言うか変だなぁと言うか。

このチャシュウ麺は以前は“やきぶたそば”という名前で出ていたはずだが、いつの間にか名前を変えていた。

チャシュウ麺 / きぬ多 (喜多方市)

“やきぶたそば”の頃は、ばら肉のともも肉の叉焼が載っていたが、今はばら肉叉焼だけであるが、これはばら肉をタコ糸などで巻いて調理した物で、脂身近くはホロホロと柔らかく、赤身の部分は肉の食感が残る理想的なバランスの物で、とても美味い。

チャーシュー以外にも麺やスープにも変化が見られた。

麺は以前よりも少し太くなり硬めに茹で上げられていてとても良い。

スープは少し塩辛いが、どっしりと落ち着いた更に深い味になっていてこれもまた良い。


世間のラーメン店は小麦などの材料費が高くなったのを期にメニューを幾らかずつ値上げしたが、こちらでは昔と変わらない値段で賞味できる。

こういう店を大切にしないと後々に我々が泣く事に成るのである。


■□■ 店舗情報 ■□■

店名 : きぬ多(きぬた)

住所 : 福島県喜多方市字通船場2

電話 : 0241-23-3168

定休日 : 木曜日

営業時間 : 11:00~18:00頃

駐車場 : 4台くらい

写真 : チャシュウ麺 650円(税込み)

2009年11月9日月曜日

みそラーメン 大盛り / さくら亭 (喜多方市)

“さくら亭”では過去何度と無くご馳走になっているが、大抵の場合、桜の花の塩漬けがのった“さくら咲くらーめん”を頂く事が多く、他のメニューを食べた記憶が幽かにしか無い。


毎年山々が紅葉する時分になると、どういった訳か味噌ラーメンが食べたくなる。

さくら亭のラーメンには全てのメニューに味玉が漏れなくトッピングされていて、それが実に美味い。


みそラーメンには、さくら咲くらーめんのような個性は無いものの、ほんわかとした雰囲気が有り、「みそラーメンにして良かったぁ」と思わせるものが有る。

この個性が弱いながらも食べた後に来る幸福感は、喜多方ラーメン独特のものではないだろうか。

みそラーメン 大盛り / さくら亭 (喜多方市)


■□■ 店舗情報 ■□■

店名 : さくら亭

住所 : 福島県喜多方市押切南1-169

電話 : 0241-23-0757

定休日 : 無休

営業時間 : 11:00~20:00 (木曜日…14:00まで)

駐車場 : 10台くらい

写真 : みそラーメン 大盛り 800円(税込み)

2009年11月2日月曜日

中華そば / 丸見食堂 (喜多方市)

喜多方駅から北へ延びる道路の拡張工事に伴い、店舗が幾分後ろへ下がった。それを期に新築して大きく開かれた窓の有る明るい店に生まれ変わった。

以前の古い店にはいつ頃の物なのか、随分と古いレジスターが有り、現役で活躍していた。

丸見食堂は昭和初期の創業だと言う。ひょっとするとそのレジスターは戦前の物だったかも知れない。

その頃の店内は窓が無く、壁にはメニューやらビールのポスターやらが貼られてノスタルジックな雰囲気が満ちていた。昼日中から酒を飲んでいても罪悪感のカケラも感じることの無い雰囲気が有った。

新しい店舗は大きな窓から自然光が入るし、厨房との間仕切りは無いので、随分広く感じられる。

気に成るのはその厨房で働く人たちである。 元気が無い。

「いらっしゃいませ」や「ありがとうございました」の声が小さく、何が原因かは知らないが意気消沈という感じだ。

せっかく美味いラーメンを作っているのに勿体無い。

厨房の間仕切りを取り払ったと言うことは、調理人も接客に参加すると言う事である。挨拶くらいちゃんとしましょう。

髪を整えて髭を剃れば尚宜しい!

さて、住所だが、ネットで調べてみると、町田8279-1・町田8273・町田8257-2・町田8257-5の4種類が見つかった。

ここでは喜多方老麺会のサイトに記載されている「町田8257-5」をそのまま載せておきます。

中華そば / 丸見食堂 (喜多方市)


■□■ 店舗情報 ■□■

店名 : 丸見食堂 (まるみしょくどう)

住所 : 福島県喜多方市字町田8257-5

電話 : 0241-22-0506

定休日 : 火曜日

営業時間 : 10:00~19:00

駐車場 : 4台くらい

写真 : 中華そば 600円(税込み)

2009年10月26日月曜日

みそラーメン / 菊水 (喜多方市)

菊水は本業が蕎麦屋だが、なかなか美味いラーメンも食べられる。

醤油・塩・味噌と各種揃っているが、何と言っても味噌がお勧めだと思う。

キャベツやもやしなどの野菜がたっぷりで、なかなか麺に辿り着けないくらいだ。

食べても食べてもどこまでもどこまでも野菜である。

ふと、自由律俳人“種田山頭火”の句、『分け入っても分け入っても青い山』が頭に浮かぶ。

食べたのが大分涼しく成って来た時分だったのでキャベツが少し硬くなっていたが、初夏の頃までの柔らかいキャベツを使った菊水のみそラーメンは実に美味い。

みそラーメン / 菊水 (喜多方市)


■□■ 店舗情報 ■□■

店名 : 菊水(きくすい)

住所 : 福島県喜多方市寺町南5062

電話 : 0241-23-2200

定休日 : 水曜日

営業時間 : 11:00~15:00 / 17:00~20:00頃

駐車場 : 3台くらい

写真 : みそラーメン 650円(税込み)

2009年10月19日月曜日

喜多方ラーメン / いそべ食堂 (喜多方市)

いそべ食堂

いそべ食堂は喜多方の中心街から3kmほど東へ外れた場所に在るうえに休みが不定休。公共交通機関をお使いの方々泣かせのラーメン店だ。

スープは煮干の香りが強いがしつこさは無くあっさりとした仕上がり。

ほんの少しだけ硬めに茹で上げられた中太縮れ麺がスープと良く合う。

喜多方ラーメン / いそべ食堂 (喜多方市)

昼時には注文の電話が何度も鳴り、店の人が頻繁に出前に出入りするので少し落ち着かない感じがするが、地元に人気の有る店と言う証拠。


■□■ 店舗情報 ■□■

店名 : いそべ食堂

住所 : 福島県喜多方市熊倉町熊倉宮西1557-5

電話 : 0241-22-1870

定休日 : 不定休

営業時間 : 11:00~14:00 / 17:00~19:30

駐車場 : 3台くらい

写真 : 喜多方ラーメン 550円(税込み)

2009年10月5日月曜日

熟成しょうゆラーメン / 喜一 (喜多方市)

 喜一のオープン当初のラーメンは斬新なものだった。

極太の麺。欧米の料理を連想させる、今までに無かった香りと不思議なコクのスープ。

喜多方の他のラーメン店では決して味わえない異質なものだった。

それから時々通うようになったが、段々とその特異性が薄れて行き、他のラーメン店との差が小さなものに成ってきた。

しかし、他の店では味わえない独特の風味は目だないながらも健在である。

ただあの極太麺は姿を消してしまったようで残念で仕方が無い。

まるで饂飩のような麺の、モチモチと言うかゴワゴワと言うか、存在感の塊のような食感をもう一度味わってみたい。

熟成しょうゆラーメン / 喜一 (喜多方市)

オープン当初に比べると、現在の喜一のラーメンは上品になって落ち着いた感が有る。

喜一は朝ラーが出来る店のひとつで、朝7時から開店しています。

今回頂いた熟成しょうゆラーメンは税込みで500円。

以前は喜多方のどの店もラーメン一杯500円が標準だったが、小麦価格の高騰を期に50円から100円程度の値上げをした。そんななか現在も500円と言う価格は安価な部類に入る。


■□■ 店舗情報 ■□■

店名 : 喜一 (きいち)

住所 : 福島県喜多方市字大谷池田3923

電話 : 0241-24-2480

定休日 : 不定休

営業時間 : 7:00-19:00

駐車場 : 20台位

写真 : 熟成しょうゆラーメン 500円(税込み)

2009年9月28日月曜日

そばドッグ / 道の駅裏磐梯 (耶麻郡北塩原村)

 “道の駅裏磐梯”は桧原湖の西側、459号線と会津米沢街道の交差点近くに在る。

駐車場に面して売店が幾つか並んでいる中に、「そばドッグ」が売られているのを見つけた。

売り子のお姉様に伺うと、ホットドッグのソーセージの代わりに日本蕎麦と野菜類を挟み込み、そば汁で味付けをした物とご説明を頂きました。

ホットドッグ界の“ヒデとロザンナ”的な存在である。


縦に切れ込みを入れた自家製のパンをホットプレートで加熱している間に蕎麦の下味付けをし、頃合いを見て取り出したパンに下味を付けた蕎麦を挟み込み、トマト・レタス・長ネギなどの野菜をトッピング。

仕上げのそば汁を少し垂らし、天カスを散らして出来上がり。

仕上げのそば汁はワサビ入りとワサビ無しを選べる。


私はワサビ入りをお願いしたが、ワサビ無しの方がパンに合うような気がする。

自家製パンは、表面がパリパリとしていて香ばしく、とても美味い。

そのパンとそば汁と天カスの相性は想像以上に良いものだった。

この相性抜群の3点が有れば、挟み込む物は蕎麦以外にも饂飩や素麺でもソコソコいけそうな気がする。

そばドッグ / 道の駅裏磐梯 (耶麻郡北塩原村)


■□■ 店舗情報 ■□■

店名 : 道の駅裏磐梯

住所 : 福島県耶麻郡北塩原村桧原南黄連沢山1157

電話 : 0241-33-2241

定休日 : 無休

営業時間 : 8:30~17:30

駐車場 : 75台

写真 : そばドッグ 430円(税込み)

2009年9月8日火曜日

藤田五郎の墓 / 阿弥陀寺 (会津若松市)

 会津若松市の現在の繁華街は、鶴ヶ城から会津若松駅へと続く新明通りだが、江戸の頃は鶴ヶ城北西部の七日町付近までが城下町として賑わっていたらしい。

阿弥陀寺はJR只見線の七日町(なぬかまち)駅の真ん前に在る。


この寺には藤田五郎の墓がある。

藤田五郎とは、新撰組三番隊組長である斎藤一が明治維新後に使った名前である。

藤田五郎は本名を山口一という。その後、斎藤一・山口二郎・一瀬伝八と変え、明治の初め頃に藤田五郎と改名した。

いずれの名前にも数字が入っているが、どういう拘りが有ったのだろうか。

藤田五郎の墓 / 阿弥陀寺 (会津若松市)

父、山口祐助は明石藩(現在の兵庫県明石市あたり)の浪人で、江戸に出て来て御家人の株を買ったらしい。

藤田五郎は父が江戸に出てきてから生まれたとするのが通説。

近藤勇とは道場試衛館の頃からの知り合いだったが、いつ頃から正式に新撰組の隊員と成ったかについては、藤田五郎の行動に不明な点が多すぎる事と、新撰組自体が統一された行動をとっていない事などにより明確になっていない。

戊辰戦争時には会津藩の指揮下で白河口の戦い・母成峠の戦いに参戦。

会津藩の降伏後は、塩川(現:福島県喜多方市)・高田(現:新潟県上越市)で謹慎生活を送った。

その後、青森県五戸町に移り、2度の結婚をする。

東京で警視官に採用され、西南戦争に参戦。

1891年に退職し東京高等師範学校などに警備員として勤務し、1915年9月28日死去。


「波乱万丈の生涯」とは、彼のような事を言うのだろう。

本人の希望により会津若松市の阿弥陀寺に墓が建てられたらしいのだが、なぜ彼がこの寺を指定したのかなどは不明。

この阿弥陀寺には明治初期に鶴ヶ城から移築された御三階が在る。


■□■ 店舗情報 ■□■

寺名 : 阿弥陀寺

住所 : 福島県会津若松市七日町4-20

電話 : 0242-27-7445

駐車場 : 無し

写真 : 藤田五郎の墓