時々無性に食べたくなるのが喜多方市の“きぬ多”のラーメンだ。
お年寄り夫婦が作っているので、勢いの有る今風のラーメンなどではない。
マー油を入れたり、醤油を焦がしたり、チャーシューを炙ったり等はせず、当たり前のラーメンを当たり前に作っている。
風変わりな小手先の調理法を施さなくても美味いものは美味いのである。
全体的に丁寧な仕事が施してありながらも、押し付けがましさや不必要な自己主張などは全く無く、優しい仕上がりに成っている。
一杯のラーメンが持っている物静かで落ち着きが有って優しい感じが、無性に食べたくなる原因なのでないかと思う。
今回頂いたのは“チャシュウ麺”だ。チャーシューではなくチャシュウと言う所がニクイと言うか変だなぁと言うか。
このチャシュウ麺は以前は“やきぶたそば”という名前で出ていたはずだが、いつの間にか名前を変えていた。
“やきぶたそば”の頃は、ばら肉のともも肉の叉焼が載っていたが、今はばら肉叉焼だけであるが、これはばら肉をタコ糸などで巻いて調理した物で、脂身近くはホロホロと柔らかく、赤身の部分は肉の食感が残る理想的なバランスの物で、とても美味い。
チャーシュー以外にも麺やスープにも変化が見られた。
麺は以前よりも少し太くなり硬めに茹で上げられていてとても良い。
スープは少し塩辛いが、どっしりと落ち着いた更に深い味になっていてこれもまた良い。
世間のラーメン店は小麦などの材料費が高くなったのを期にメニューを幾らかずつ値上げしたが、こちらでは昔と変わらない値段で賞味できる。
こういう店を大切にしないと後々に我々が泣く事に成るのである。
■□■ 店舗情報 ■□■
店名 : きぬ多(きぬた)
住所 : 福島県喜多方市字通船場2
電話 : 0241-23-3168
定休日 : 木曜日
営業時間 : 11:00~18:00頃
駐車場 : 4台くらい
写真 : チャシュウ麺 650円(税込み)
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