老舗「上海」の隣にいつの間にか出来ていた新しいラーメン屋。
新しいラーメン屋だが、レトロっぽい。
昭和の雰囲気が有るのだが、架空の空間っぽい。
ドラマのセットとかイベントの模擬店のような、現実味の無い懐かしさを感じる。
アジアン食堂という店名も、“喜多方マーケット銀座”という狭い路地に在る事も、店内にセピアがかった古い写真が掛けられている事も、どれも仮想空間っぽい。
店内ではFM喜多方の放送が流れているが、ここはそれらしく気張って、西田佐知子の「アカシアの雨がやむとき」とか、菊池章子の「星の流れに」とかを丁度良い悪い音質で流して欲しいものである。
園まりの「逢いたくて逢いたくて」もいいな。
メニューは3種。どれも名前がふるっている。
・あっさり系の“昭和ゴールデン”。
・背脂こってり系の“平成チャッチャ”。
・濃厚コクうま系の“平成ガッツ”。これは1日20食の限定らしい。
昭和の頃には頻繁に使われて今は然程でもなくなった言葉に“ゴールデン”とか“デラックス”とかがある。
“デラックス”は車でもチョコレートでも家電品でも何でもかんでも、ちょっと良い物にはデラックスと付いていた。
せっかく昭和ゴールデンなどという古臭いネーミングにしたんだから、チャッチャとかガッツとか興ざめするような事は言わずに、“平成デラックス”とか“平成ロイヤル・デラックス・ハイ”とかにして欲しかった。
この店の基本形かなぁと思われる“昭和ゴールデン”を注文。
厨房とフロアがカウンターで完全に仕切られていて往来が出来ないので、厨房から離れた奥のテーブル席に座ると、「お待ちぃ」とカウンターに置かれて、自分で席まで運ぶ事になる。
ラーメンの丼って熱くて思いのほか重かった。正直めんどくさい。
食べ終わったら自分で食器を返却しなきゃならないのかと心配をしたが、それはしなくてもいいらしい。
鶏の割合が大きいスープで、醤油少なめ塩多めの味付けをしている。
あっさり系と言うことだったが、鶏油の粘りつくようなコクがある。
会津地方のラーメンスープはやや塩辛いのが特徴だが、ここのスープはかなり塩辛い。
《スープを飲み干して完食とする》と言う鉄の掟(自分で勝手に決めたんだけどサ)を破ってしまい、半分ほどズルルゥと飲んだだけで残してしまった。
麺はやや太めの中太縮れ麺だが、茹で加減が柔らかい。も少し硬いほうがスープに合うような気がする。
チャーシューは良く味が染みたやわやわのバラ肉。煮崩れる寸前と言ってもいいほどのやわやわ。美味い。
ネギがたっぷりなのが良かった。鶏系スープにはネギが物凄く合う。
いわゆる喜多方ラーメンとは方向性が違っているような気がするが、これからが楽しみな店だと思う。
■□■ 店舗情報 ■□■
店名 : アジアン食堂
住所 : 福島県喜多方市二丁目4650-29 喜多方マーケット銀座内
電話 : 0241-23-6161
定休日 : 未確認
営業時間 : 11:00~15:00 / 18:00~22:00
駐車場 : 無し
写真 : 昭和ゴールデン 550円(税込み)