鮭立磨崖仏【さけだちまがいぶつ】は“民宿・食堂 おふくろ”から252号線を南下し352号線に入った所に在る。
案内板によれば、天明の頃大飢饉が有り、この地に住んでいて痛ましい状況を見た法印宥尊という修験者が作り始め、その志を継いだ法印賢誉が完成させたらしい。
岩壁には屏風に見立てたように大きな凹みがある。
左端の面には磨崖仏らしいものは見当たらないが、風化した跡のようにも見える。
右端の面の一部には彩色された痕跡が見受けられるが、完成当時を想像できるほどではない。
像はどれも素朴なデザインで、頭部が大きめに作られているせいか稚拙な印象を受ける。
中央付近に彫られた不動明王は、炎の形の窪みを彫り更にその中に像を彫り組む凝った造りなっている。
周りには人家が疎らに在るものの神社や寺らしき建物は無い。
磨崖仏の周辺は畑と藪なので、夏の時期はアブが多い。
車にバチバチと当たってくるし、ドアを本の一瞬開けただけで6匹ほどのアブが車内に飛び込んできた。
修験道は元々は原始神道を源としながらも、平安時代頃には仏教の一派として扱われるようになり、明治の初めには禁止令が出るなど、紆余曲折の道程を辿った宗教である。
江戸時代の修験者、法印宥尊と法印賢誉はどんな生活をし、どんな生涯を送ったのだろう。
来る日も来る日も岸壁に仏を彫り続けるような生活は、想像しただけでウンザリしてしまう。
■□■ 磨崖仏情報 ■□■
磨崖仏名 : 鮭立磨崖仏 (さけだちまがいぶつ)
住所 : 福島県大沼郡金山町山入鮭立居平
駐車場 : 特に無し
写真 : 鮭立磨崖仏
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