2009年12月31日木曜日

じぇんとる麺(醤油) / こうへい (喜多方市)

 世の中のラーメンには背脂を散らすサービスがある。

いわゆる「背脂チャッチャ」だ。

このサービスはほとんど場合、50円~150円程度の追加料金が徴収される。

私はこの追加料金が妥当なものなのか判断できず、いつも悶々とする。


   チャッチャ料金=背脂材料費+光熱費+チャッチャ技術料


このチャッチャ公式により追加料金は算出されているはずだ。

光熱費は知れた物である。

チャッチャ技術料も知れた物である。と思う。

『俺っちはよぉ、チャッチャ2級技術士の資格もってっから、お天道様の下で堂々と、何はばかる事なくチャッチャできんだぜい』などと言っているラーメン屋を見た事が無いから、特殊な技術ではないはずだ。

チャッチャ悶々問題の根本原因は背脂材料費が幾らなのか解らない所にある。

近所の肉屋に「背脂あります」等と書かれたノボリが立てられているのを見たことも無ければ、スーパーの精肉売り場に背脂が並んでいる所も見た事が無い。

だから値段が判らない。

チャーシュー麺なんかのチャーシュー乗っけ料は、材料費も光熱費も手間代もおおよそ見当が付くので、「この店のチャーシュー麺はお徳な感じだなぁ」とかの感想が出てくるのだ。


このチャッチャ悶々問題を一気に解決してくれる店が喜多方に在る。

以前、漆黒ラーメンで紹介した“こうへい”である。

全てのラーメンメニューに無料でチャッチャしてくれる。

で、チャッチャした物を「じぇんとる麺」と呼ぶ。

『タダでチャッチャすんだから、名前くらい好きに付けさせてくれよ』と言わんばかりの傍若無人的命名である。

初めて「じぇんとる麺」と聞いただけで、背脂を散らしたラーメンを的確に思い浮かべる人間がどれだけ居るだろうか。

私なんかの俗人は、“スッキリとしたスープに細目の麺”という正反対のアッサリ系ラーメンを思い浮かべてしまう。

背脂がジトジトと浮いているラーメンの姿は、私的には「田吾作どん」って感じである。

チャッチャ悶々の金銭面の問題は解決したものの、新たに命名問題が生まれてしまった。

生まれいずる悩み。


今回は醤油ラーメンのじぇんとる麺をお願いした。

メニューには、「すべてのラーメンにジョイント OK」とだけしか書かれていないので、各ラーメンと組み合わせたときの呼び名が判らない。

注文の際、どのように伝えれば良いものかと熟考に熟考を重ねた結果、『醤油ラーメンのじぇんとる麺ひとつ、お願いします』と長々と言うと、オバちゃんは厨房に『しょうゆじぇんとる いち~!』と端的に伝えた。

じぇんとる麺(醤油) / こうへい (喜多方市)

アッサリした物を瞬時にコッテリ系に変貌させる霊験あらたかな背脂だが、その活躍の場はなぜかラーメンだけに限られている。

様々な料理がそのご利益に与っても良さそうなものだが、チャッチャ飯やチャッチャ味噌汁やチャッチャ鍋やチャッチャサラダなどの存在は風の噂にも聞いた事が無い。

なろう事ならば、私のこのパサパサした人生にもチャッチャして頂けないだろうか。


■□■ 店舗情報 ■□■

店名 : こうへい

住所 : 福島県喜多方市字沼田6981

電話 : 0241-22-4328

定休日 : 木曜日

営業時間 : 11:00~20:00

駐車場 : 無し

写真 : じぇんとる麺(醤油) 550円


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2009年12月21日月曜日

富士の湯 / 会津若松市

 会津若松駅から南へ300m程の所に在る日帰り温泉施設で、交通の便が良いのと、料金が格安なためか、入り口付近には開店時刻の10時前から数人の客が待っている。

湯船の種類は多く、大浴場の他に、天然の生薬が配合された“薬湯”、高温サウナとスチームサウナの2種類の“サウナ”、気泡によるマッサージ効果がある“ジェットジャグジー”、背中から足先へぬるま湯が流れる“足湯・座り湯”、半透明の屋根が掛かった“露天風呂”、信楽焼きの壷で微温湯に漬かる“壷湯”、寝湯などが有る。

大浴場は、石の湯と木の湯が有り、1週間交代で男女入れ替わる。

どの湯も熱くはないが、上がった後もいつまでもポカポカと温かい。流石は天然温泉100%の掛け流しだ。


壷湯は、ちょうど人一人が入れるほどの焼き物が二つ並んでいて、温めの湯がチョボチョボと流れ込んでいる。

たいていお年寄りが入っていて、傍の通路を誰かが通る度に壷の上に出た首がそろってそちらを向くのが奇妙で面白い。


露天風呂は、屋根が有るので正確には露天風呂ではないが、それ風の造りになっている。

半透明の屋根が有るので全天候型ではあるが、開放感に乏しく、野趣を全く感じられないのが残念だ。


富士の湯入浴を観光コースの一部に組み込み、ノンビリと過ごすのも面白い観光プランではないでしょうか。


■□■ 店舗情報 ■□■

店名 : 富士の湯 (ふじのゆ)

住所 : 会津若松市駅前町2-13

電話 : 0242-32-1126

定休日 : 年中無休

営業時間 : 10:00~24:00 (最終受付 23:00)

入湯料 : 390円(税込み)

駐車場 : 500台

2009年12月13日日曜日

昭和ゴールデン / アジアン食堂 (喜多方市)

 老舗「上海」の隣にいつの間にか出来ていた新しいラーメン屋。

新しいラーメン屋だが、レトロっぽい。

昭和の雰囲気が有るのだが、架空の空間っぽい。

ドラマのセットとかイベントの模擬店のような、現実味の無い懐かしさを感じる。

アジアン食堂という店名も、“喜多方マーケット銀座”という狭い路地に在る事も、店内にセピアがかった古い写真が掛けられている事も、どれも仮想空間っぽい。

昭和ゴールデン / アジアン食堂 (喜多方市)

店内ではFM喜多方の放送が流れているが、ここはそれらしく気張って、西田佐知子の「アカシアの雨がやむとき」とか、菊池章子の「星の流れに」とかを丁度良い悪い音質で流して欲しいものである。

園まりの「逢いたくて逢いたくて」もいいな。


メニューは3種。どれも名前がふるっている。

 ・あっさり系の“昭和ゴールデン”。

 ・背脂こってり系の“平成チャッチャ”。

 ・濃厚コクうま系の“平成ガッツ”。これは1日20食の限定らしい。

昭和の頃には頻繁に使われて今は然程でもなくなった言葉に“ゴールデン”とか“デラックス”とかがある。

“デラックス”は車でもチョコレートでも家電品でも何でもかんでも、ちょっと良い物にはデラックスと付いていた。

せっかく昭和ゴールデンなどという古臭いネーミングにしたんだから、チャッチャとかガッツとか興ざめするような事は言わずに、“平成デラックス”とか“平成ロイヤル・デラックス・ハイ”とかにして欲しかった。


この店の基本形かなぁと思われる“昭和ゴールデン”を注文。

厨房とフロアがカウンターで完全に仕切られていて往来が出来ないので、厨房から離れた奥のテーブル席に座ると、「お待ちぃ」とカウンターに置かれて、自分で席まで運ぶ事になる。

ラーメンの丼って熱くて思いのほか重かった。正直めんどくさい。

食べ終わったら自分で食器を返却しなきゃならないのかと心配をしたが、それはしなくてもいいらしい。

昭和ゴールデン / アジアン食堂 (喜多方市)

鶏の割合が大きいスープで、醤油少なめ塩多めの味付けをしている。

あっさり系と言うことだったが、鶏油の粘りつくようなコクがある。

会津地方のラーメンスープはやや塩辛いのが特徴だが、ここのスープはかなり塩辛い。

《スープを飲み干して完食とする》と言う鉄の掟(自分で勝手に決めたんだけどサ)を破ってしまい、半分ほどズルルゥと飲んだだけで残してしまった。

麺はやや太めの中太縮れ麺だが、茹で加減が柔らかい。も少し硬いほうがスープに合うような気がする。

チャーシューは良く味が染みたやわやわのバラ肉。煮崩れる寸前と言ってもいいほどのやわやわ。美味い。

ネギがたっぷりなのが良かった。鶏系スープにはネギが物凄く合う。


いわゆる喜多方ラーメンとは方向性が違っているような気がするが、これからが楽しみな店だと思う。


■□■ 店舗情報 ■□■

店名 : アジアン食堂

住所 : 福島県喜多方市二丁目4650-29 喜多方マーケット銀座内

電話 : 0241-23-6161

定休日 : 未確認

営業時間 : 11:00~15:00 / 18:00~22:00

駐車場 : 無し

写真 : 昭和ゴールデン 550円(税込み)