身の回りで食べ物が話題に成るたび頻繁に噂を耳にする「むらいのカツ丼」ですが、只々大きいと言う話ばかりで、そのトンカツ像を詳細にイメージできる話は有りませんでした。
『大きいって、どの位大きいわけ?』と訊いても答えは人それぞれで、十文字屋の磐梯カツ丼の方が大きいとか、イヤイヤむらいの方が大きいとか、全く一致しません。
もう、こうなりゃ自分で食べるしかありませんが、「十文字屋」と「いとう食堂」の2軒で食べただけで『もう、カツ丼はしばらく食べたくないかも…』的な気分に成っていた私には、そんな大きなトンカツは荷が勝ち過ぎると言うものです。
“お食事処 むらい”は会津の郊外118号線沿いに在り、駐車スペースは店の前に5台と道を挟んだ向かい側におよそ10台分ほどがある。
トンカツと海老フライの店のようで、メニューは豊富です。
オーダーから15分程で“ロースかつどん”の到着。
十文字屋の磐梯カツ丼を完食し、少々の事には驚かない自信を持っていた積りですが、その姿を見た途端、私の自信は呆気無く霧散してしまった。
重厚長大なドイツ戦車の様な圧倒的存在感の前に、一種の恐怖さえ覚えたのであります。
誰も見ていなかったら、その場から逃げていたかも知れない。
二段に積まれた褐色の巨大トンカツと、テラテラと光り輝くソースには、それ程の威圧感と威厳があります。
カツ丼本体だけでも手に負えないかも知れないのに、味噌汁や小さな冷奴やサラダや漬物までが付いています。 この量には嫌がらせに近い物を感じます。
肉厚は30mm位でしょうか。実に柔らかでジューシーで美味い肉です。 しかも食べ易く短冊に切ってあります。 丼の半分以上はカツですな、これは。
揚げ油がしつこく残っていないのが良い。
ソースはクセの無いトロトロソース。 カツにばかりでなく、キャベツやご飯とも相性が良い。
和辛子が標準装備されていると申し分ございません。
これだけの量を食べきるには雑念が有っては無理です。
無念・無想・無口・無表情の“4無”に加え半眼と言う、傍から見れば不気味な様相で苦闘の結果、無事完食できました。
一大事業を成し遂げたような充実感を胸に、そして異様な飽満感を腹に感じつつ帰路に付きました。
格闘技に近い食事をしたくない人間の為に、60%~70%位の量の「日本国民標準サイズ的カツ丼」をメニューに加えて頂ければ安心して食事を愉しめると思うんですが、如何なものでしょうか?
私に“むらい”のカツ丼の話をした人たちが、漠然と『大きかったぁ…』としか印象を言えなかったのが、解かるような気がしました。
何が何だか解からなくなりますって。
■□■店舗情報■□■
店名 : お食事処 むらい
住所 : 福島県会津若松市門田町大字中野字屋敷107-1
電話 : 0242-26-1037
営業 : 11:00~14:00 / 17:30~20:00
定休日 : 木曜日
駐車場 : 15台位
※写真は「ロースかつどん(ソース)」 1,050円(税込み)