妖精美術館は沼沢湖畔に在り、妖精に因んだ絵画・絵本・人形などを展示している。
「シャーロック・ホームズ」の作者、アーサー・コナン・ドイルの父である“チャールズ・アルタモント・ドイル”がアルコール中毒で精神病院に入院中に描いた絵が展示されている。
これが秀逸な作品で、描かれている人物などは妖精とは大分かけ離れたイメージだが、作品全体に漂う雰囲気は妖精が現れるような環境はこんなだろうと思わせる一種の不条理の世界観を醸している。
チャールズ・アルタモント・ドイルの父や兄は画家で、彼らの作品も展示されている。
展示スペースのほとんどを創作人形が占めているので、民俗学的な視点から興味をお持ちの方々には些か物足りなさを感じるのではないかと思う。
アーサー・コナン・ドイルが深く関わった、二人のイギリス人少女が撮った妖精の合成写真を巡る“コティングリー妖精事件”に関する資料なども展示されていると、一段と面白みが増すのではないだろうか。
美術館館長を務める井村君江氏は、日本での妖精文学研究の先駆者であり、比較文学者としての功績は大きい。
栃木県宇都宮市には井村君江氏が名誉館長を務める“うつのみや妖精ミュージアム”が在る。
館内では写真撮影が禁じられているのが残念。
■□■ 美術館情報 ■□■
館名 : 妖精美術館
住所 : 福島県大沼郡金山町大字大栗山字狐穴2765
電話 : 0241-55-3180
休館日 : 水曜日(水曜日が祝日の場合は木曜日)
営業時間 : 9:00~17:00
営業期間 : 4月29日~11月9日(11月10日~翌年4月下旬は冬季閉館)
入館料 : 300円
駐車場 : 5台位
写真 : 妖精美術館